電気の要らないエアコンや空気清浄機、お掃除不要のキッチン・トイレ、
水のいらないお風呂、天井を走る車・・・などなど、
自然のすごさをカタチにする素敵なことを たくさん考えている石田教授の、日々の発見をお届けします。


タッチ・アンド・ゴー

鹿児島県のずっと南、沖永良部島に来て1週間が過ぎました。南国の太陽は強烈で、ジリジリト焼けてしまいそうですが、木陰に入ると森を通ってきた海風はとても爽やかで汗もスーッと引いてゆきます。毎日自然の中に居ると、忘れていた美しさを再発見したり、虫や魚たちが本当に力いっぱい生きていることを実感します。
夜空を見れば、本当に降ってきそうなほどの星が一杯に拡がっています。あまりの星の多さに学校で習った星座表の何がどこにあるのかわからなくなるほどです。天の川は英語ではミルキーウェイといいますが、その表現がピッタリで本当に白い川のようです。
サンゴ礁の端まで行って、ザブンと潜れば、30-40cmの魚がいっぱいです。何とか一匹、今日の夕食にと思いますが、持っていったパンくずを捕られるだけで、私の手が届くその少し先を悠々と泳いでいます。家に居るヤモリはどうやら種類が増えたようです。ケッケーと鳴くグループとコロコロッコーと鳴くグループの2派が勢力争いをしているようです。あまり全速で走るのを見たこともないヤモリが、初めてすごいスピードで戦っているのを見ました。まるで忍者のように、全速ですれ違いざま攻撃しているようです。勝負は一瞬、勝ったヤモリは安全な天井へ移動して勝利の雄叫びを上げます。
島は2ヶ月近く雨がなく、サトウキビの葉も黄色くなってきました。虫たちも水不足なのでしょう。海から戻ってマスクや足ひれを入れたバケツに水を張るとすぐに蜂が水を飲みにやってきます。飛行機のタッチ・アンド・ゴーの要領で空中から一瞬水面をかすめて又舞い上がってゆきます。これを何度も何度も繰り返して水を飲むのですが、何匹かはこのタッチに失敗して水面に激突、おぼれて死んでしまいます。
かわいそうだと思うこともありますが、ここに居るとすべてが自然の法則で成り立っていることを実感します。そして、私たちもその中の小さな一つだという気がしてくるのです。
(2006年8月3日)