 南西アフリカにあるナミブ砂漠は、地球上で最も暑く乾燥した場所の1つだと言われています。ここにはおもしろい方法で水を飲む生き物が住んでいます。その方法は、ただ風に向かって体をじっとさせるだけ。キリアツメゴミムシダマシという虫の背中にはいくつものデコボコがついており、このデコボコのてっぺんは水を引き付ける性質、谷間は水をはじく性質をもっています。そのため、早朝に吹く霧を含んだ風に向かってお尻を突き上げるように高く上げることで、霧に含まれている細かい水滴をデコボコの部分に集めることができます。やがて水滴がデコボコの谷に触れるほど大きくなると、水滴は転がり落ち口の中に入ります。このとき、他のデコボコが水滴の通り道の役割をすることで、水が外にこぼれることなく効率よく水を得ることができるのです。

 テントなどに採用すると、水不足の地域にも安心して水を供給することができるなど、厳しい環境で人間が生き延びるのに役立ちます。大規模なものをつくることができれば、どんな地域でも水をただで飲めるようになるかもしれません。 また、反対に湿気が多いところでは、空気中の水分を取り除く無電源乾燥機も開発できるかもしれません。

 親水性の表面・疎水性の表面・これらの表面を組み合わせたもののうち、どれが最も水を集めることができるか比較し、両方をあわせたものが最も水が多いことが実証されました。また、親水性と疎水性の表面がランダムに配列されたものでは集まった水滴が外にこぼれてしまうため、キリアツメゴミムシダマシの体のように規則正しく配列されていることが重要であることも分かりました。

 現在プラスチックのネットを用いて霧集めを行っている地域がいくつかあり、新たにこの仕組みを利用しようと考えられています。現代のテクノロジーで安価に模倣できると言われており、例えば、シルクスクリーンや射出成形、アセテートシートの上にコンピューターのプリンターで水分を引きつけるインクを吹きつける方法が上記記事の著者Parkerとケネティク社によって紹介されています。これは従来のどの装置よりも数倍効率的に霧を集める材料になると彼らは主張しています。
出展 Nature vol.414 1 Nobember 2001 pp.33-34

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